「教室の風景」は、
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「問い」が主体性を育むのに重要だと書きました。
この「問い」は、大人から子どもへの「問い」の話だったのですが、
子どもから 大人への「問い」も重要だと考えています。
というのは、
子どもが「問い」を持っていない状態で教えるのと、
「問い」を持った時、その「問い」に答える形で教えるのとでは、
子どもの理解度が全然違う、と感じているからです。
「スペースわん」では、
「らくだ」のプリントをやる前後に、
学校の宿題やテスト勉強をやる子が多く、
わからないことがあれば私のところに質問に来ます。
その時のやりとりについては、
通信第45号にも書いたように、
私から質問しつつ、
出来るだけ子ども自身が考えて答えにたどり着くようにするのですが、
何より「子ども自身が質問を持ってくる」こと自体が重要です。
その時点ですでに、子どもの姿勢が能動的になっているので、
受け身で授業を聞いているだけの状態とは全く違うからです。
子どもが「問い・質問」を持った時点で
その子はもう「主体的」なわけで、「わかろう」という気満々ですから、
ちょっとしたヒントですぐ理解できるのです。
質問してきた子が「あっ、そうか!」とわかる瞬間や、
自分でできるようになる瞬間に今まで何度も立ち会ってきました。
わかった瞬間の「あ~っ!!」という顔は、本当にうれしそうです😊
「らくだ」のプリントは、
教えられなくてもできるように作られているのですが、
まだ習っていないところに進むと、
100問 近い問題のほとんどを間違う、
なんていうこともあります。
先日も、約分のプリントに進んだ小学生が、
「ミス99問」というプリントを持ってきました(^^;
「宝物プリント」です(^o^)v
99問中99問、つまり全問ミス、ということですが、
実は、最初の1行は合っています。
全然できなかったので、
合っているところも間違っていると思い込んだんでしょうね。
だから、ミスは90問。
それが、こうなります👇
目安時間7分のプリントなので、時間もクリア!
最初のプリントでは、
まず小さい数で約分し、
それがまださらに約分できることに気づかないままでした。
例えば、
10/20は、分母も分子も2で割って、5/10で答えが終わっています。
進むうちにわからなくなり、途中で「わかりません」と言ってきました。
そこで、
前述のように、私が質問しながらやりとりしました。
「まだ割れないかな?」と質問すれば、
「あっ、5で割れる!」と気づきます。
そうやって、
「÷2」の後「÷5」をして、1/2 という答えを導き出す、
というように、
2段階3段階に分けて約分することから始めます。
そして、
「10 /20が1/2になるには、何で割ったらいいかな?」と質問すれば、
「10で割ったらいい!」と気づきます。
そうして、
だんだん一度に大きな数で割ることができるようになっていきました!
それでも、最初はゆっくりです。
その後、自分で何度も何度も練習し、間違え、
そして間違い直しをしながら、
少しずつ「わからない」が「わかる」に、
そして、「スラスラできる」になっていきました〜(^o^)/
先ほど、
ミス90問のプリントを「宝物プリント」と表現しました。
これは、
「スペースわん」のホームページにも書いていますし、
入会時にも説明させていただいています。
大事なのは、
「できる」ことよりも「できない」こと、「○」よりも「×」。
「できない」「わからない」からこそ質問し、
「×」だったからこそ「なんで?」 と思うのです。
その「問い」を持った瞬間に、
もうその子は「主体的」になり、
前述のように、
「わかった!」「自分でできた!」「スラスラできるようになった!」
という方向に 向かい始める、
だから、
ミスいっぱいのプリントは「宝物プリント」なのです。
この、一般的にはマイナスとしてとらえられる
「できない」「わからない」「×」 を大事にせず、
とりあえず形だけ「できた」ようにしてしまっていることで、
力がついていない現実をたくさん見てきました。
「とりあえず、答えを写して提出」とか、
「どれが書けてどれが書けないのかわからないまま、どの漢字も同じ回数書く」
といった宿題をやることに追われて、
自分の「できない」に向き合えていない、という現実です。
だから、
受験やテストに向けての勉強をどういうふうにすればいいのかわからないのも、
無理ありません。
生徒さんが、
「思った以上にテストの点が悪かった」とか、
「自分なりに結構勉強したつもりなのに、なぜ点数が伸びないのか」
と思った時、それは、チャンスです!
「できない」という現状認識があり、
「どうしたらいいのか?」という「問い」が頭に浮かんでいるからです。
それは、
それまで何の疑問も抱かずにやり続けてきた勉強のしかたを
変えるチャンスになります。
そういう時に「こんなやり方はどう?」 と、
違うやり方の提案をしてみます。
その内容は人それぞれですが、
まずは、
生徒さん自身が「できない・わからない」に向き合い、
困ったり、質問したりすることが、
「できる」への第一歩、変わるチャンスなのです。