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この春、志望校に合格した新高1のA君。
入学前にすでに宿題が出ていました。
早々と済ませていたのに、新学期が始まるやいなや「最悪や〜」と言うA君。
「何が最悪やの?」と聞くと、
数学の宿題が出ていたのに気づかず、提出日の前日になって知ったとのこと。
「スペースわん」に、その手つかずの数学の宿題を持ってきて、
「今からやる」と言ってやり始めました。
24〜26ページほどの問題集が宿題。
「もしかして、答えを丸写しするつもり?」と思いきや、
答えを見ずに自力でやり、答え合わせと間違い直しも自分でやっています。
「スペースわん」でプリントをやることで、このやり方が自然と身についているようです。
1時間半ほど黙々とやり続け、帰る時間になって、
「あとどれぐらい残ってる?」と聞くと、「4ページほど」。
20ページほどをこの時間内にやり上げたわけです。
「あとは家でやる」と言って帰ったA君に、後日「全部できた?」と聞くと、
全部仕上げてちゃんと提出できたとのこと。
その集中力と、時間がなくても手抜きせずに自力でやり遂げる力に感心しました!
何より、「無理だ」とあきらめず、投げ出さない姿勢がいいなあと思いました。
最近、テレビなどで「レジリエンス」という言葉を耳にすることがあります。
Wikipediaによると、
「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」などとも訳される心理学用語で、
「脆弱性 」の反対の概念であり、自発的治癒力の意味だそうです。
元々は「ストレス」とともに物理学の用語で、
ストレスは「外力による歪み」を意味し、
レジリエンスはそれに対して「外力による歪みを跳ね返す力」として使われ始め、
精神医学では「極度の不利な状況に直面しても、正常な平衡状態を維持することができる能力」
という定義が用いられることが多いそうです。
テレビでは、けん玉を使って「レジリエンス」の高い低いを検証していました。
それは、けん玉ができるかできないかが問題なのではなく、
困難に直面したときの考え方や気持ちのコントロールの仕方の問題でした。
「やり続けていたら、何とかなるかなと思っていた」と黙々とやり続け、
感情をコ ントロールした人は「レジリエンス」が高く、
「できた・できない」で一喜一憂する人は、感情をコントロールできていなくて、
エネルギーの消費が激しく、消耗し、あきらめの気持ちにつながってしまう、
つまり、「レジリエンス」が低いのだそうです。
「スペースわん」で学んでいる生徒さんを見ていると、
この「レジリエンス」が高まっていくように思えるのです。
「スペースわん」では、「できた・できない」で一喜一憂せず、たんたんとプリン トをやります。
やり続けると、さまざまな困難(=「カベ」)にぶつかります。
ある時は、真っ正面からぶつかり、ある時は、一旦引き下がり、というふうにしながら、
それを、たんたんと越えて行きます。
そうして、
「やり続けていたら何とかなる」「やり続けていたら、いつかできる」を体感していくのです。
A君も、根底にこれがあると思います。
別の記事には、「レジリエンス」とは、
「鋼のような強さ」ではなく、「ヤナギのようにしなやかで決して折れない強さ」であり、
「失敗や挫折をしても、その経験を糧に回復して成長する回復力」とも書かれています。
常日頃「ミスは宝物!」と伝えていることとつながりました。
また、それは、前号に書いた「能動性」とも関連すると思います。
前号で、「自ら考える力」をつけるには、「能動的かどうか」が大きく関わると書きました。
「スペースわん」では、
「勉強しなさい!」とか「プリントをやりなさい!」という言い方はしません。
というよりも、そう言う必要がないほど生徒さんたちは「能動的」にやっています。
どちらかというと、黙々とやり続けている生徒さんに、
「しんどくない?」「休憩してもええよ」「無理したらあかんよ」と言うぐらいです。
A君も、そう声をかけたくなるほど、宿題を集中してやっていました。
私が生徒さんに勉強を「やらせよう」という姿勢だったら、
たぶんこうはならないだろうと思います。
彼らは、プリントを「与えられ」てはいないのです。
どのプリントをやるのがいいのか、判断する基準(時間とミスの数)によって、自ら選ぶからです。
もちろん、家でなかなかプリントがやれなかったりすることはあります。
では、その子は「能動的」にやろうとはしていないのか?
この質問に対する答えは、大人が自分自身のことを振り返れば、すぐわかると思います。
自ら選んで「能動的」にやろうとしたこと、
例えば、「ダイエットする! そのために毎日ウォーキングする!」と決めたとしても、
なかなか毎日できなかったりしませんか?
でも、だからといって、
「ダイエット」 や「ウォーキング」に対して「能動的」でないかというと、そういうわけではない。
「能動的」にやろうとしていることでも、なかなか思う通りできないということは、
大人でもよくあることですね。
この「勉強に対する能動的姿勢」は、幼児さんなら誰もが持っていると思います。
それがいつのまにか、
「勉強は、大人から教えられ、与えられ、やらされるもの」 と思うようになり、
「イヤなもの」「しかたなくやるもの」、つまり「受動的姿勢」になってしまいがち。
そう思い込んでしんどくなっている人には、「そうじゃない学び方があるよ」と伝えたい。
そして、幼児さんや小学校低学年で、まだ勉強をしんどいとは感じていない子どもさんにこそ、
しんどくなる前に、「らくだメソッド」に出会って体験してもらいたい。
そう思いつつ20年続けてきました。
「能動的姿勢」でプリントに向かい、
ミスや時間オーバーで一喜一憂せず「伸びるチャンス!」ととらえ、
たんたんとプリントをやり続けていくなかで、
「ヤナギのようにしなやかな強さ」「失敗や挫折を糧にして成長する力」がついていく、
そのプロセスにこれからも寄り添いたいと思います。