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先日、5歳の生徒さんから、こんなかわいいメモをいただきました。
「まえ、さんす(算数)のぷりんとう(プリントを)えらばせてくれて、ありがとう」
まだ幼稚園の年長さんなので、縦書きを左から書いていますが、
なかなかしっかり書けてますね(^^)
「算数のプリント」とは、
今やっているのは幼児さんの数字の練習のプリントで、
「0~9」の数字を点線をなぞって書くプリントから始まり、
そのうち点線や書き順などの指示がだんだんなくなっていき、
数字も少しずつ大きくなっていきます。
そのプリントの最初の方からやり始めたばかりの生徒さんです。
「スペースわん」でやるプリントも、
家でやるために持って帰るプリントも、
「めやす時間」でできたかどうかで次に進んでいいかどうかわかりますが、
それでも、
「まだもうちょっとこのプリントを練習したい」という場合や、
「次にチャレンジしてみたい!」という場合もありますので、
「これをもう少しやってもいいし、次に進んでもいいよ。
次のプリントはこれになるけど、どっちがいい?」
「持って帰るプリントは、次に来るまで6日あるから、6枚ね。
これを3枚とこれを3枚でもいいし、
これとこれとこれを2枚ずつでもいいし、
これを4枚、これを2枚でもいいし、どうする?」
というふうな感じで、プリントを見せて、
生徒さん自身に決めてもらいます。
その選択肢は、
私の心の中に「これを選んでほしい」というのがあってそこに誘導するのではなく、
心から「どれを選んでもOK!」と思える選択肢です。
何の基準もなく、選択肢もなく、「どれでもいいよ」ではありません。
そうすると、「気分」や「気まぐれ」で選んでしまい、
土台からしっかり力をつけることはできませんので。
「スペースわん」では日々当たり前にやっていることですが、
入ったばかりのこの生徒さんは、
この「選ぶ」というのがうれしかったようです。
5歳になったばかりの年中さんの生徒さんも、
数種類見せたプリントの中から、
やりたいプリントをちゃんと選びます。
具体的な選択肢を示せば、
小さな子どもさんでも自分で選ぶことができるのです。
学力アップには「『いかに生徒主体の学びにするか』が大事」と書きましたが、
そのためにはやはり、
「自分で選んだ!」「自分で決めた!」と意識することが大事になってきます。
その際、大人側の関わり方が重要です。
時として大人は、「どれを選ぶ?」「どっちでもいいよ」と言いながら、
「『これを選びなさい』オーラ(!?)」を出していることがあります(^^;
子どもの選んだものが、大人側の希望に沿うものでなかったら、
「え〜っ、それ選ぶの〜?」とか、
「こっちの方がいいんじゃないかなあ〜」
とか言ってみたり(^^ゞ
そういうことが続くと、
子どもは大人の顔色を見て、「忖度(そんたく)」(!?)して答えるようになってしまいます。
そうなると、子ども自身、本当に「自分で選んだ」とは思えず、
「生徒主体」の学びではなくなり、
うまくいかなかったら大人のせいにすることも起こり得ます。
だから、前述のように、
心から「どれを選んでもOK!」と思える選択肢を出すことが大事なのです。
「まだクリアしていないのに、次に進んだらきっとしんどいよ」と思ったとしても、
大事なのは、そのしんどさを子ども自身が実感すること。
そして、「しんどかったら楽なところに戻ればいいよ」と伝えること。
前述の5歳の生徒さんたちも、
難しいプリントにチャレンジしては、
時間がめやす時間の倍以上かかったり、ミスがいっぱい出たりして、
易しいプリントに戻ったり、また、チャレンジしたりしています。
本人が納得して選んでいるわけです。
逆に、
クリアしているのに、
先に進むとしんどいのがわかっているからなかなか進もうとしない場合、
「めやす時間でストップしてもいいから、次に進んでみたら?」
と勧めることもあります。
そういうやり取りをした上で、
最終的にどうするかは本人自身が選ぶ、
そして、その選択を大人が尊重することが大事です。
だからといって、
生徒さんに好き放題選んでもらうわけではありません。
時々、
まだ足し算引き算をクリアしていないのに、
分数など、今の自分の学年のプリントをやりたいと言う子もいます。
中学生など、小学校の四則計算のプリントをやりつつ、
同時並行で中学のプリントをやることはあります。
その場合は、
小学校のプリントを、めやす時間やミスの数でクリアしたら次に進む、
という基本的なやり方でやりつつ、
中学のプリントを、時間関係なしに部分的にやる、
という形です。
小学生でも、そういう形で、その子の学年のプリントをやることもできますが、
「らくだメソッド」の順番で基礎の土台を固めつつ、
プラスしてやるのならいい、という条件つきです。
そうでないと、
いつまでたっても土台の基礎学力が身につかないまま、
形だけの学習をその場しのぎ的にやることになってしまいますので。
子どもたちはつい、
「気分」で選んだり「やる気」に左右されたりしがちなので、
「学力の土台をしっかりつける」という「芯」はブレないようにしつつ、
チャレンジ精神も大事にしたいと思っています。