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私事ですが、
今年1月から2月にかけて、
顔や首筋の髪の生え際や頭皮が、
赤くなっていたりガサガサしていたり、
かゆかったりしていました。
皮膚科に行くと、
薬とともに「化粧禁止令」が出て、
2月の初め2週間ほど、
化粧はせず、肌につけていいのは化粧水だけ、
という生活を送りました。
もともと、
さほど美容に気をつけているわけではないのですが、
肌はあまり強い方ではないので、
身体によさげなオイルを化粧水の後に塗っていました。
しかも、
今は冬だし、肌がガサガサになっているところもあり、
保湿は大事だと思っていたので、
化粧水だけとなると乾燥して肌が突っ張るのでは?
と思ったのですが、
意外なことに、
それまでよりも肌がしっとり!
「今まで、保湿のためと思ってやってきたことは何だったんだ?」
と思いましたが、
かえって、
自分自身の肌の本来の力が引き出されたのかもしれません。
「よかれ」と思ってやることがかえってよくない、
ということは多々あります。
肌にとっても、
「よかれ」と思ってあれもこれもと「足す」ことよりも、
「あれをやめて、これもしないで」と
「引く」ことの方が大切なのかもしれないと思ったできごとでした。
そんなことがあった今年1月、
ちょうどNHK「あさイチ」で、
「人には言えないハナシ 教育やりすぎ!?」
という内容をやっていて、録画しました。
番組では、
親の立場や子どもの立場からの具体的なエピソードが語られていました。
親の立場の方は、
「あなたのために言っている」という
「子どものために頑張ってしまい、やりすぎてしまう」傾向が見えます。
子どものことを思うがゆえ、ですね。
この時出演されていた臨床心理士の武田信子さんは、
「教育をやり過ぎてしまう親には、基本的に悪気はない」
と言っておられました。
そして、やりすぎ教育になりがちなパターンは、
①子どもを自分の作品のように感じる
(「私が入れなかった大学に入って」と、親の夢を託す)
②親戚・知人・きょうだいと比較し焦る
(「一族全員医者だから、この子も医者に・・・」)
③環境に巻き込まれ不安になる
(「周りは受験 うちの子だけ取り残されたら・・・」)
だそうです。
例にあがっているようなあからさまな言い方はしなくても、
それに近い感情を抱いたり、
よかれと思ってアドバイスしたことが
「押しつけ」や「決めつけ」になっていないか不安になったりすることも
あるのではないでしょうか?
ただ、
どこからが「やりすぎ」なのかはわかりにくいですよね。
武田さんは、
「やりすぎ」かどうかの判断は、
「子どもの『NO』を受け止めているか」
だと言います。
「NO」も含め、子どもの声をきちんと聴けているかどうか、ですね。
これにはとても共感しました。
また、
子どもの脳・発達を研究する小児科医の高橋孝雄さんは、
「受験に向けて頑張れ」と言うのは、
「野球の試合頑張れ」とか
「バイオリンのコンサートに向けて頑張れ」と言っているのと同じで、
決して悪いことじゃない。
ただ、
親が、どこどこの学校に合格することが目的で
「今は頑張って勉強しなさい」と言うのは、
少しいきすぎになってると思う。
(相談に来るケースの)大体が、
目標設定を親がして、
それに向かってがむしゃらに努力してきた子たち。
(子どもに)自分で決めさせてあげ、
意思決定力を育んでから、
目標を自分で設定させるのがいい。
とおっしゃっていました。
子ども自身が自分で意思決定できるように、
自分で決める練習をすることも、
大事ですね。
子どもの「NO」を受け止め、
子どもに自分で決めさせる、
つまり、
子ども自身の気持ちや意思決定を大事にすることが、
親の「やりすぎ」に気づき、
ブレーキをかけることにつながるのでしょう。
肌の件でも教育でも、
「よかれ」と思ってついつい「プラス」してやってしまいがちで、
それは結局「やりすぎ」につながり、
肌にとっても子どもにとっても、
よくないことになるのではないか、
と思います。
でも、
何かしら困ったことが起きないと、
そのことに気づかないのかもしれません。
私の場合、
肌にトラブルが起きて、
今まで当たり前にやっていたことをやらなくなって
初めて気づきました。
「あさイチ」では、
かつて、
勉強に関してプレッシャーを与えたり叱りつけたりしていた
「教育やりすぎママ」たちが、
子どもにじんましんが出たり、
「どうせお母さんは、僕が何か言ったって、決めてかかるんでしょ」
としか言わないようになったりしたことで、
自分の「やりすぎ」に気づいた例があげられていました。
また、
知人から
「子どもはあなたとは違う人間なんだ」
と指摘されて初めて、
子どもを客観的に見ることができた、
とも語っておられました。
私も、
皮膚科の先生に言われなかったら、
「化粧もせず化粧水だけにする」
なんて思いもしなかったと思います。
「よかれ」と思ってやっていることがやりすぎだと気づくには、
他人との関わり、
他人からの指摘も大事だということですね。
「スペースわん」で一番最初にお伝えするのが、
「ここは『NO』を言っていい場所だよ」
ということです。
子どもたちは、
「はい」と言うことに慣らされてしまっていると思うので、
まず
「イヤなことはイヤと言っていいよ」
と伝えます。
また、
「らくだメソッド」は、
「自分で決める」ことを大事にする学習法なので、
前述の高橋医師のお話とつながりますし、
「押しつけない・強制しない・命令しない」、
つまり
「〜しない」という「引く」ことを意識した指導法です。
「足す」ことを続けるだけでは見えないことが、
「プラス」の悪影響に気づいた後に「引く」ことで、
本当に大事なことは何なのかが見え、
子どもが本来持っている力、
子どもが将来幸せになる力を「引き出す」ことに
つながるのではないでしょうか。
「やりすぎ教育」については、
武田信子さんが、
「やりすぎ教育〜商品化する子どもたち」(ポプラ新書)
という本を出しておられますので、
そちらも参考にしていただけたらと思います。